７月某日
アニメイトで『ウォーターソング』（竹岡葉月 コバルト文庫）、『癒しの葉 ７巻』（紫堂恭子 角川書店）。
松竹で「シーズ・オール・ザット」観る。観客は５人。おだやかな気持ちで映画館を出るものの、つくづく、ラブストーリーの脚本は難しい。主人公が（ヒロインが）、なぜヒロインを（主人公を）好きになったのかが観客に伝わらなきゃいけない。そして、その理由が共感できるものじゃなきゃつまらない。
ゲームの場合、この部分はプレイヤーの内部で処理されるので描写する必要がない。主人公がその子を好きなワケは、プレイしている当人に訊いてみればよい。一方、女の子がどうして主人公を好きなのかはわからなくても別にいい。主人公の視点から世界を記述するタイプのゲームにおいては「どうして、この子はおれのこと好きなんだ？」という疑問があってもかまわない。
なにわで『小さなお茶会』（猫十字社 白泉社文庫）を買って帰る。
７月某日
午前中、ＨＰの更新。
『素敵な活字中毒者』（集英社文庫）読了。このテのアンソロジーは少しづつ読むのが好き。２ヶ月以上かけて読み終えた。
「さくら」第５１〜５４話観る。
『並木橋通りアオバ自転車店 ２巻』（少年画報社）。ストーリーは極めてオーソドックス。自転車をプロットの中心に据えることで、シンプルなエピソードが急に彩りを帯びてくる。その瞬間、「どうってことのない話」が「いつか読んだような気がする初めて読む話」に変わる。
夕食は麻婆豆腐。「イハーブの生活」にならって木綿豆腐をつかう。でもトロロは入れない。
７月某日
『メルロ＝ポンティ入門』（ちくま新書）読了。
「未来とは、刻々と生じている事実を、われわれがどう知るかというような次元のことではない。それは、まさにわれわれの行動が展開する場所なのである。」（２２７ページ）。
「ダ･ヴィンチ」を買って帰る。
７月某日
仕事帰りに、なにわに寄る。
『夏の魔術』（田中芳樹 講談社ノベルス）と『虹北恭助の冒険』（はやみねかおる 講談社ノベルス）。『夏の魔術』は徳間書店版を持っているけど、表紙と挿絵が描き下ろしなので。２階へ上がって、『文庫版 イティハｰサ ３巻』（水樹和佳子 ハヤカワ文庫）。
地下鉄の中で『ドゥルーズの哲学』（講談社現代新書）読み始める。冒頭の「差異」の話が面白い。「ある／ない」ではなく、両者の「違い」に着目せよとのこと。
家の近くの古本屋で『わたしのメルヘン散歩』（矢川澄子 ちくま文庫）を買って帰る。
７月某日
東宝日劇で「M：i−２」。パンフレットが大きい。バッグからはみ出て、ファスナーが閉まらない。観客の入りは７割強。月曜の初回としては、大入りだろう。
アクションは素晴らしく魅せるが、脚本はもう少し整理してもいいと思う。相手が持っているもの、製薬会社社長の目的など。うまく説明しているとは言いがたい。
狸小路のミスタードーナッツで昼食を買ってから、東宝公楽へ。「ジュブナイル」を観る。観客は１０人ぐらい。
すごくもったいない映画。もっと面白くできたと思えてならない。
なぜ、テトラ（小さなロボット）はあの夏に現れねばならなかったのか？
テトラは何をするためにやって来たのか？
なぜ、子供たちはテトラに惹かれたのか？
この辺の説明が、ストーリーと絡み合って展開していけば、よかったのでは。
ちなみに、クライマックスは『悪の江の島大決戦』である。
帰宅後、「さくら」第５５〜５８話。
小狼のエピソードがいい。それまで主人公さくらの一人称で語られていた物語の視点が、突然小狼に変わることで、さくらというキャラクターが客観的に描写される。部屋に帰った小狼のところに、さくらから電話が来るシーンが美しい。シーンの美しさとはビジュアルだけではない。そこで起きている事そのものが美しいのだ。現在公開中の劇場版も観たいが、TV版を最後まで観ていないのでガマン､ガマン。
７月某日
風はあるものの、陽射しが強く夏らしい天気。このところ雨が続いていたので、気持ちがいい。
なにわで『ピニェルの振り子』（野尻抱介 ソノラマ文庫）、『毎日は笑わない工学博士たち』（森博嗣 幻冬舎）、『ＳＦマガジン』。アニメイトで『EDEN ５巻』（遠藤浩輝 講談社）、『キング・オブ・バンディット・ジン ２巻』（熊倉裕一 講談社）、「無限のリヴィアス ４巻」（DVD）買う。
シネスイッチで「太陽は、ぼくの瞳」。
レディースディの午後ということで予想はしていたが、観客が３０人を超えているのはさすがに驚き。ここで観るときは５〜８人位が普通なので。
序盤の演出の切れがすばらしい。
いいことなんかなくても、人生は続ける価値がある。大いなる肯定の物語。
荘厳なラストには神話的な雰囲気が漂っている。
ポーラスターで「地上より何処かで」。
観客は女性ばっかり。
アメリカ映画のお家芸ともいえる「母娘もの」。
夕食はラムネギ炒めとスクランブルエッグ、インスタントのワンタンスープ。
７月某日
仕事帰りに、なにわで『麦の海に沈む果実』（恩田陸 講談社）を買う。
恩田陸は新刊が出たら必ず買う作家の一人。
地下鉄の中で『夢・出逢い・魔性』（森博嗣 講談社ノベルス）読了。
シリーズものとして、キャラクターが動き出してきた感じ。エキセントリックな言動が噛み合って、独自の世界を創り出している。
夕食は吉野家。
吉野家は一年中、同じメニューである。新聞、週刊誌の類は置いていない。TVもない。外部の情報から完全に隔絶している。
つまり、吉野家に季節はない。
そこは、時の流れから超越した街中のアジ−ルなのだ。
均質性がもたらす穏やかな空間がなぐさめとして機能する。