６月某日
「文庫本雑学ノート二冊目」（岡崎武志 ダイヤモンド社）読了。
ぼくが初めて読んだ文庫本は小松左京の短編集（角川文庫）だった。徹底的に救いのない陰惨な話が多く、暗い気持ちになったのを憶えている。小学生の頃の話。
夜、HBCの「情熱大陸」を見る。マラソンの高橋尚子・小出義雄。走る喜びについて、高橋は言葉では言い表せないという。走りながら風を感じ、道端の花に目を留め、蛙の声を聞く。その結果、
「走っていても、自分が走っていたことを忘れます。ああ、今、走っていたんだなあって」
天才である。
たとえば、マラドーナはサッカーをやっていないんじゃないかと思う。１人だけフィールド上の他の２１人の選手とは別のスポーツをしているのではないか。それが達人の境地。中島敦の「名人伝」を思い出した。
６月某日
洗濯機を回しつつ、朝食をとってから大通へ。
旭屋で「フューチャーマチック」（ウィリアム・ギブスン 角川書店）、「ドゥルーズの哲学」（小泉義之 講談社現代新書）。アニメイトで「ヒカルの碁 ７巻」（ほったゆみ・小畑健 集英社）。ピヴォで「超クソゲー２」（箭本進一・多根清史・阿部広樹 太田出版）。なにわで「文庫版 イティハーサ １巻」（水樹和佳子 ハヤカワ文庫）。
カウンター形式の焼きそば屋で昼食（並 ２７０円）をすませるが、いささか物足りない。コンビ二でおにぎりでも買って帰ろうかと思ったものの、それではあまりにも「独身男一人暮らしアンニュイな昼下がり」という感じなのでやめにした。
午後、「さくら」第４０〜４３話。作品の構造が見えてきた。
夕食は近所の中華料理屋でキクラゲ・豚肉・玉子炒め。
「ヒカルの碁 ７巻」読む。いまだ名前のみの存在の倉田五段の登場が楽しみ。
夜、「悠久幻想曲」の評論を書いていたら、ごく最近のある映画のオチが酷似していることに気が付いた。もっとも、古くは「ギルガメシュ叙事詩」から某傑作ファンタジーまでつながる古典的モチーフであることもたしか。根源的なプロットの強さの証明といえる。
６月某日
手早く洗濯をすませてから会社に行こうと思っていたのに、脱水のところで止まってしまい二度もやり直したにもかかわらず、結局、正常終了しない。壊れたのか？
昼、会社で資料の整理その他雑用。その後、北大へ。近くのラーメン屋で昼食。書籍部で「ヘンリー・ダーガｰ 非現実の王国で」（ジョン・マクレガー 作品社）を購入。あらかじめ、作品社のHPでここに入荷されていることをチェックしておいたのだ。
久しぶりの北大は新しい建物ができて、だいぶ様変わりしている。旧教養食堂２階の混沌的状況がかなりおとなしくなり、中央ローンでジンパが禁止されるなど、秩序・統合といった印象を強く受けた。
中央ローン〜北大正門から入ると前方にひろがる芝生地帯のこと。真ん中を貫くように小川が流れ、夏になると学生がジンギスカンを食べる脇で近所の保育園の子供達が水遊びをしていたりするのが風物詩であった。
ジンパ〜ジンギスカンパーティーの略。室内で食べてもジンパとは云わない。あくまで屋外で行うのが本道（だと思う）。
ピヴォで「世界の文学４８ SFと変流文学」。なにわで「殺竜事件」（上遠野浩平 講談社ノベルス）。
帰宅後、「さくら」第４４〜４６話観る。
TSUTAYAに「さくら」を返すついでに「ダ・ヴィンチ」と「３×３EYES ３４巻」（高田祐三 講談社）を買う。
ご飯が炊き上がるのを待つ間、日記の更新。
夕食はチンジャオロース。ピーマンは縦に細切りにし、豚肉は醤油と塩で下味をつけておく。本当は片栗粉をまぶすらしいが、あいにく、そんなものはない。充分に熱したフライパンに油をひき、豚肉を炒める。赤みが消えたら、いったんよけておき、続いてピーマンを炒める。全体的に柔らかくなったところで、チンジャオロースの素を入れ、ピーマンに完全に火が通る直前に、よけておいた豚肉を加えて、タレにからませるようにして仕上げる。
シャワーを浴びてる途中で新聞の短文に手をつけていないことを思い出し、急ぎ書き上げる。
「ダ・ヴィンチ」をぱらぱら眺めつつ、０時寝る。
６月某日
「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」（椎名誠 角川文庫）読了。
本と雑誌にまつわる元気のいい雑文集。伝説の「文藝春秋１０月号四六四頁単独完全読破」などミニマムなこだわりを読者に共有させてしまう野放図なパワーに満ちている。
坪内祐三の書評論がのっていたので「文学界」を買う。
６月某日
本日、洗濯機は快調。
ポーラスターで「ＮＡＧＩＳＡ」を観る。「清く正しい夏休み映画」と思わせて、実は「喪失と成長」を描いた硬質な作品。
ピヴォで『ゴーダ哲学堂 空気人形』（業田良家 小学館）、なにわで『文庫版 イティハーサ ２巻』（水樹和佳子 ハヤカワ文庫）買う。
スガイで「遠い空の向こうに」。構造はアメリカ映画のフォーマットそのまま。これが実話だということが、アメリカのアメリカたる所以なのだろう。
夜、『ベルセルク １９巻』読む。つくづく、まとめ読み向きの漫画である。
６月某日
『戦闘美少女の精神分析』（斎藤環 太田出版）読了。
虚構は現実の模倣ではなく、それ自体で自律的なリアリティを獲得しているとする著者の主張には、大いに賛同できる。
虚構の少女に「萌える」ことと現実生活を両立させるおたくは「主体的に解離を生きている」とし、結論で「アニメを愛しつつ性を排除するような態度の欺瞞性こそが告発されなければならない」、さらに「『解離した性』を自覚的に生きることが、ある種の誠実さや倫理性につながる（後略）」と結ぶ本書は、徹底して「おたく擁護」の書である。岡田斗司夫・唐沢俊一ラインとは違ったおたくのための理論武装。
全おたく必読。
６月某日
朝から夕方までＨＰの更新。更新履歴とリンクをつけ、だいぶ体裁がととのってきた。
夜は書類の作成。合間に『ゴーダ哲学堂 空気人形』を読む。第８話「人類の代表」が個人的にはナンバー１。世界の一番低いところから、一番高い視点へと一気に移行する感覚がすごい。
６月某日
９時にいったん目が覚めたものの、うつらうつらしている内に気が付けば１１時。すぐに起きて洗濯。ＨＰを少しいじってから、仕事の書類。ＴＳＵＴＡＹＡで「さくら」１３巻を借り、『天使猫のいる部屋』（薄井ゆうじ ハルキ文庫）、『電話男』（小林恭二 ハルキ文庫）買う。
「さくら」第４７〜５０話観る。
その後、夕食のために外出する以外は書類の作成。
ひと区切りついたところで、日渡早紀の『宇宙なボクら！ １巻』を読む。日常の中にリアリティある非日常を挿入させていく手法が、あいかわらず上手い。続けて『猫の地球儀その２ 幽の章』（秋山瑞人 電撃文庫）を読了。語句の説明をしないでフットワークに任せて読者をひっぱりまわす書き方は、サミュエル・Ｒ・ディレイニーやコードウェイナー・スミスを彷彿させる。日本人作家には珍しい饒舌体の文章と遠い未来の昔話のような語り口が特徴。
６月某日
朝、『カラサワ堂変書目録』（唐沢俊一 学陽書房）読了。前作の『怪書目録』よりも若干パワーが落ちてるような気がする。
昼食のついでにＴＳＵＴＡＹＡへ。「さくら」１４巻は貸し出し中。ここに至ってついに足止め。手ぶらで帰宅。
背広に着替えてから、再び外出。区役所で不在者投票の後、会社で雑用。ピヴォで『半神』（萩尾望都 小学館文庫）と『おさんぽ大王』（須藤真澄 アスペクト）を買う。
夜、『マンガは哲学する』（永井均 講談社）読む。吉田戦車の哲学的感度はウィトゲンシュタインに匹敵するとのこと。
６月某日
１１時起床。やや疲れ気味。
朝食はトースト、紅茶、さくらんぼ。
会社で雑用、資料の整理など。
なにわで『ＳＦマガジン』、『それゆけ！ 宇宙戦艦ヤマモト・ヨ―コ １２ 純白のディスティニー』（庄司卓 富士見ファンタジア文庫）、『星虫』（岩本隆雄 ソノラマ文庫）。『星虫』は新潮社版を持っているけど、まよわず買う。大掛かりなプロットと叙情性豊かな雰囲気が絡み合った「幻の名作」（帯のコピーより）。
旭屋で『武器製造業者』（Ａ・Ｅ・ヴァン・ヴォ―クト 創元ＳＦ文庫）、『女王の百年密室』（森博嗣 幻冬舎）、『ポストモダニズムの幻想』（テリ―・イーグルトン 大月書店）。
ピヴォで『ああっ女神さまっ ２１巻』、『おさんぽ大王 ２〜３巻』（須藤真澄 アスペクト）。
帰宅後、書類の作成。途中、近所の中華料理屋へ夕食。ニラ玉定食。
午前１時就寝。
６月某日
朝食、洗濯をすませて外出。
アニメイトで「無限のリヴァイアス」３巻（ＤＶＤ）、『神さまのつくりかた。 １０巻』（高田慎一郎 エニックス）、『並木橋通りアオバ自転車店 ２巻』（宮尾岳 少年画報社）、『無限のリヴァイアス フィルムブック下巻』（角川書店）。
イエローサブマリンで『ゲーマーズ・フィールド』という雑誌をみつける。テーブルトークＲＰＧの専門誌。こんなものが出ていたとは全く知らなかった。往年のトラウマで購入。
旭屋で『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』（河出書房新社）。この全集を集めているんだけど、どこまで買っているのか忘れてしまった。最新刊（第６回配本）のこれを買っていないのは、間違いない。第４回、第５回配本を持ってるかどうか曖昧。実家に帰った際に確認せねば。
松竹遊楽で「グラディエーター」観る。観客の平均年齢が高い。「ベン･ハー」や「スパルタカス」のノリを期待して来てるのだろう。でも、予告編は「さくら」と「女神さまっ」。
ザマの戦いを再現する趣向の剣闘シーンが泣ける。
丸井で来月の出張用のバッグを買ってから、なにわで『思春期未満お断り 完結編』（渡瀬悠宇 小学館）。
今月の報告書を書き上げてから、夕食はラムと玉子を入れたラーメン。
『ＳＦマガジン』を読み、０時就寝。