◆2006/05/11 更新◆
３月１日（水）
人生に「もしも」はない。
こうなってしまった現実を「これでよかった」と受け入れるしかない。
いまを祝福すること。
過去を嫌悪しない。
現在を拒絶しない。
未来を悲観しない。
いまを祝福しつづけた先に、未来がある。
３月２日（木）
新宿武蔵野館１で『クラッシュ』。
傑作。伏線の回収されていくさまが圧巻。
安易な結末に着地しない。かといって、現実に絶望しているわけでもない。
世界はそんなに簡単じゃない。
３月６日（月）
起こった結果は間違いじゃない。
結果は常に終わりではなく、始まりである。
３月７日（火）
人生の選択肢において間違ったほうを選んだことは、自分では気付きようがない。
どちらの道に進んだほうが幸せだったかはわからない。
もう一方の道を選んだ場合の人生は現実化しない（体験できない）から。
つまり、人生の選択肢に間違った選択なんかない。
全て正しいともいえるし、全て間違ってきたともいえる。
だったら、いままで選んできた全ての選択肢は正しかったと思っていい。
３月８日（水）
小説というのは多様な読みを可能にするもの。
ファンタジーは解釈の幅が広がりやすいゆえに、原初的な「物語読み」の魅力に接近しやすい。
３月９日（木）
新宿ピカデリー１で『ナルニア国物語 第１章ライオンと魔女』。
偏執的ともいえる驚異の作り込みで完璧な異世界創造をなしえた『ロード・オブ・ザ・リング 三部作』ほど重たくなく、『ハリポタ』ほど“カジュアル”じゃない。しごく真っ当な“児童映画”に仕上がっている。
正しいものと正しくないものがはっきりしていて、教訓もある。
子供の頃にこんなものを観たら、“トラウマ”になるのではと思ったりもしたけど、それって俺にとっての『スター・ウォーズ』だということに気が付いた。この映画で数多のファンタジー少年少女が生まれるであろうことは間違いない。
３月１１日（土）
本当に大切なことは、手遅れになって初めて気付くことがある。
手遅れになったことを変えようとあがいても無駄だ。
同じ失敗は二度としないこと。それが大事。
３月１２日（日）
『きいろいゾウ』（西加奈子著 小学館）読了。
世界の真実に触れる瞬間が描かれる。
３月１５日（水）
渋谷アミューズＣＱＮシアター１『好きだ、』。
「社会人編」になってからがいい。人生の連続性。
３月１６日（木）
全労済ホール／スペース・ゼロにて、月影十番勝負第十番 Ｔｈｅ ＦＩＮＡＬ ＳＡＳＯＲＩＩＸ『約ｙａｋｕｓｏｋｕ束』（作 千葉雅子／演出 池田成志）。
観た人の数だけ解釈があって当然。絶望的な状況でもいつか出口が現れる……そういう話じゃないのかもしれないけど、俺にはそう見えた。
父の呪縛、呪いをかけられた女の子の物語。王子（恋人ｅｔｃ．）によって呪いから解放されるのが物語の常道だが、本作ではその部分は描写されない（台詞で説明されるだけ）。女たちの楽園の力でヒロイン（高田聖子）は解放される。
３月２０日（月）
渋谷ル・シネマ１で『リトル・ランナー』。
この邦題はどうかと思う。
キリスト教的色彩の濃い脚本だが、気にはならない。
３月３０日（木）
渋谷シネアミューズウェストで『ククーシュカ』。
二人の男がいずれも「囚人」であるところがポイント。
それぞれの属する共同体から追放された人間が、共同体の外で救われる。