◆2006/01/28 更新◆
１１月４日（金）
渋谷シアター・イメージフォーラム２で『誰がために』。
以下、結末に触れる。
……。
主人公が少年を殺さなかったのは「誰のためか？」
少年の家族？ 殺された妻？ ラストシーンが答え。
生き続けること。そのことこそが死者への最高の弔いになる。
１１月１０日（木）
朝、よい知らせ。
午後、会社にて仕事。
夜、紀伊國屋ホールにて『トランス [ｙｏｕｔｈ ｖｅｒｓｉｏｎ]』(作・演出 鴻上尚史)を観る。
台本がいい。すぐれて現代的。
正気と狂気の区別なんてつかない。
「あなたは狂っている」と言っている当人が狂っているとしたら、「あなた」は狂っていないのかもしれないが、もしも「あなた」が本当に狂っていたら、「あなたは狂っている」と言った人は狂っていると思っている「あなた」の認識の方が狂っていることになる。そもそも、世界で自分だけが正気で周りがみんな狂っているのか、あるいは自分は本当は狂っていて周りの人はみんな正気で、みんなは自分のことを狂人として見ているのか、それはわからない。
狂っている（かもしれない）世界においても、なお信じるに値するものが浮かび上がるクライマックスが感動的。
役者では瀬川亮が光っていた。とにかく勢いがある。
１１月１８日（金）
正午起床。風邪が治らない。病院に行って抗生物質をもらってくる。
午後は報告書を１本。
夜は渋谷。シアターコクーンで『調教師』（作 唐十郎／演出 内藤裕敬）。
保健所の上司、分裂症の先生、町の人達のドタバタを無視すると骨格が見えてくる。
少女の聖性、不可侵性をめぐる物語。
峠の頂きで振り返り、“犬の微笑み”を浮かべた少女モモは男（調教師の父親＆調教師＆保健所の青年）の元を去る。到達不能な対象としての少女。背中のコブは聖少女の象徴としての聖痕（スティグマ）として機能している。
……いずれにせよ、わかりにく過ぎる。キャラクター配置と構成が整理されていない。
１１月１９日（土）
ジブリが『ゲド』をアニメ化？
『指輪』、『ナルニア』と映像化されたから、次は『ゲド』か。
１１月２２日（火）
新宿プラザで『エリザベスタウン』。
事業の失敗を主人公ひとりのせいにする冒頭は説得力に乏しい。
とりあえず、そういうところは気にしないで観る。
メインプロットの葬式（死）の裏で、サイドストーリーとして結婚式(誕生）が進行していく。
ボケーと観る分には、いいんじゃないでしょうか。 キルスティン・ダンストは可愛いし。