◆2005/11/23 更新◆
１０月１日（土）
人生は最短距離を進めない。
生まれてから死ぬまでの寄り道の行程すべてを人生と呼ぶのかもしれない。
人生はすべて寄り道。
逆説的だが、全てが寄り道ならば、人生には寄り道などないとも言える。
１０月６日（木）
新宿ジョイシネマ１で『シンデレラマン』。
格調高く重たい“古典的な”アメリカ映画。
１０月１３日（木）
正午過ぎ起床。
３時頃、会社へ出掛けて雑用を片付ける。
夜は渋谷。
シアターコクーンで『天保十二年のシェイクスピア』（作 井上ひさし／演出 蜷川幸雄／音楽 宇崎竜童）。
シェイクスピアの全戯曲３７本の要素をぶち込んだ大作。
喜劇にして悲劇。悲劇にして喜劇。
圧倒的な物語の強度に任せて突っ走る一級のエンターテインメント。
メインのプロットを構成するのは『ハムレット』、『ロミオとジュリエット』、『リア王』、『マクベス』、『リチャード三世』。
唐沢寿明がリチャード三世で、藤原竜也がハムレット兼ロミオ、篠原涼子がリア王の末娘兼ジュリエット、夏木マリがリア王の第２子兼マクベス夫人、勝村政信がオセロー兼マクベス、白石加代子が『マクベス』の魔女……超豪華なキャストに支えられて、至福の演劇空間が誕生する。
心の底から観てよかった。
どんなゴールを迎えても、そこが次のスタート地点になる。
１０月１７日（月）
人生をやり直したいと思わない人間はいない。
誰にとっても人生は一度きりで、それぞれの瞬間は常に初めての体験である以上、後悔のひとつもない人生を送ることなどできないからだ。
取り返しのつかなさに絶望した後に気をとり直して次の一歩を踏み出せるか。
「やり直せたらこうなっていたかもしれないという決して訪れない未来」への妄想にとらわれたまま、現在にとどまり続けるか。
そこが分かれ道となる。
１０月１９日（水）
過去にあったこと、起こったことそれ自体は変えられない。だけど、起こったことの意味は書き換えることができる。
過去の厭な経験や記憶があったからこそ、その後こう考えるようになって、こういう方向に進んで、いまここにいる。そう考えることもできる。
過去の意味なんて未来にならないとわからない。すべての経験は無駄じゃない。
１０月２２日（土）
思いつきは突然訪れる（思いつきなんだから当たり前だけど）。そして、その思いつきが人生の決定的な選択になったりすることがある。主観的には思いつきとしか思えなくても、実は思いつきではないのかもしれない。積み重ねた経験や思考の果てに無意識の領域から意識の表層へとある「ひらめき」が浮かび上がる。それは気まぐれなんかじゃない。
誰かを好きであることに気付く瞬間はまさにそれだ。
好きになるのではない。
自分がその人を好きであることに気付くのだ。
１０月２７日（木）
多様性を認めることは大切だが、倫理を無視してはならない。
１０月２９日（土）
いまここが出発点だ。
ここから始めるしかないし、ここからは新しく始められる。