◆2005/09/15 更新◆
８月１日（月）
渋谷ユーロスペース１で『運命じゃない人』。
忘れていたよ、映画の日。立ち見が出る混雑ぶり。
ひと晩の出来事を５人の視点からオムニバス風に描く。
面白い映画好きは必見。
映画の面白さは構成と脚本であることがわかる。
８月６日（土）
国力の上昇と国民の幸福は必ずしも比例しない。
８月１２日（金）
渋谷シネアミューズウエストで『ターネーション』。
１１歳から撮りためた膨大なフィルム、写真、自主制作映画、ミュージッククリップその他もろもろを編集して描き出される自分史。
もっと一人よがりな映画かと思ったら、「見せる」作品になっていたのが意外。
残酷で悲惨な現実を描きながら、エンターテインメントになっているのが奇跡的。
８月１４日（日）
好きな理由はいくらでも挙げられる。
嫌いな理由はひとつで充分。
８月１５日（月）
渋谷ユーロスペース２で『サヨナラＣＯＬＯＲ』。
海辺はこの世とあの世の境目。
海の近くの病院という設定が効いている。
最近流行りの（？）難病純愛ものを微妙にずらした展開がよい。
以下、結末に触れる。
例えば、「世界の中心で、愛をさけぶ」。最後は女の子が死んで、残された男は美しい思い出を振りかえって涙を流す……男にとって都合のいいおとぎ話としか思えない。
彼女を救って自分は死んでしまう本作の方が男気がある。
ラストシーンが美しい。
「僕はいつまでも君にこだわり続けるんだ」
愛は見返りを期待しない。
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』（リリー・フランキー著 扶桑社）読了。
徹底的にプライベートな作者自身の「個」の物語が、普遍的な力を発揮することに、結局人類は何百年、何千年も同じことを感じ、同じことを考えて、生きてきたことに気付かせられる。
８月１６日（火）
恋愛の４段階。
T 第１段階 自分がその人を好きであることに気付いた瞬間。とても幸福な気持ちに包まれる。「好き」というただそれだけのことで幸せでいられる。
U 第２段階 相手は自分のことをどう思っているかが気になる。不安、焦り、いらだち、せつなさ。
V 第３段階 自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを確かめるべく行動に移す。不安の中にいくらかの期待と楽観。
W 第４段階 フラれる。終わる。何もかもが色あせてみえる。どん底の気分。
８月２１日（日）
人生に手遅れということはない。
ただ残り時間が少なくなるだけだ。
８月２３日（火）
新宿武蔵野館２で『ハッカビーズ』。
大手スーパーのエリート社員（ジュード・ロウ）と新規出店に反対する自然保護団体のリーダー（ジェイソン・シュワルツマン）の確執がストーリーの骨格なんだけど、そこに哲学探偵の２人組（ダスティン・ホフマン／リリー・トムリン）と彼らの元弟子の哲学者（イザベル・ユペール）が絡んで、人生の意味と宇宙の真理についての実存主義的考察が繰り広げられる。とにかくヘンな映画。
「人生とは？ 存在とは？」という哲学的命題に登場人物たちが悩んでいる真面目な映画に見える一方で、セラピーばやりのアメリカの現状を皮肉っているようにも読める。何とも人を食ったヘンテコな映画。
『マルコヴィッチの穴』、『エターナル・サンシャイン』の系譜に連なる“架空サービス業もの”。
８月２９日（月）
後悔のない人生は難しい。せめて後悔の少ない人生を送ろう。