◆2005/09/02 更新◆
７月２日（土）
『四十日と四十夜のメルヘン』（青木淳悟著 新潮社）読了。
七月四日から七月七日までの日記が何度も繰り返されながら、西武新宿線下井草〜井荻周辺のスーパーに関する考察、チラシ配りのアルバイトの描写、書きかけの童話（？）が入り乱れていく。饒舌体の文章。
７月１４日（木）
新宿ピカデリー２で『ダニー・ザ・ドッグ』。
過不足なく丁寧に作られている。ジェット・リー、モーガン・フリーマンが好きなら観て損なし。
７月１５日（金）
指の間をすり抜けていってから、それが大切なものであったことに気付く。
７月１９日（火）
新宿プラザで『スター・ウォーズ エピソード３ シスの復讐』。
以下、結末に触れる。未見の方、注意……。
冒頭の艦隊戦から、ドゥークー伯爵との対決までの流れは完璧。
が、物語はその後やや失速。巷で指摘されているように、最大のネックはアナキン（ヘイデン・クリステンセン）とパドメ（ナタリー・ポートマン）の絡みの緊張感のなさ。この責任は役者だけに帰すのは酷だろう（ブルースクリーン前での演技の限界、根本的な台詞回しの大時代性）。
とは言え、『エピソード１、２』とは比較にならない位素晴らしい出来であることはたしか（前２作があまりにもひど過ぎたせいもあるけど）。ただし、この面白さは伏線を回収すること、および伏線を張りまくることの面白さなわけで。いわば、旧３部作あっての面白さ（シリーズ物なんだから、別にいいんだけど）。ヨーダとチューバッカの別れとか、ところどころ感慨深いシーンがある。
けなしておいて何だけど、クライマックスのムスタファーでのアナキンとパドメの問答はよい。口に出すことで、無意識下にあった自らの欲望に気付くアナキンと、彼の中の善良さと愛を信じているパドメ……ちょっとグッと来る。
結論、冒頭とラストのそれぞれ３０分はいい。途中は気にしない。それが楽しむコツ。
映画史に残る偉大なサーガの完結に拍手！
７月２１日（木）
日比谷シャンテシネ３で『アルフィー』。
映画としての欠点はない。完成度が高い。
お洒落で都会的だが、結末は苦い。
７月２９日（金）
言語化できない部分にコミュニケーションの本質は宿る。
（発話による）表面的なコミュニケーションでは同じ言葉を交わしていても、その言葉の持つ意味どおりの内容しか伝達しない場合もあれば、もっと深い親密なコミュニケーションが成立している場合もある。
恋愛の成立過程においては、その言語化できないコミュニケーション領域における２人のつながりの度合い（コミュニケーションの審度）が最も重要となる。
ある異性（別に異性じゃなくてもいいけど）と話した後に「なんかうまく言えないけど、すっごい楽しい時間を過ごした」と思う理由はここにある。