◆2003/08/27 更新◆
８月１日（金）
『ＳＴＡＮＤ ＵＰ！！』（ＴＢＳ系）が面白い。
鈴木杏がうまいのは当然として、二宮和也がよい。
デフォルメされた『濃い』キャラクターによる群像劇は、堤幸彦の独壇場（『トリック２』みたいに）。
『トリック２』にはフツーのキャラは１人もいなかったけど、今作の場合、主役級の２人（二宮と鈴木）を普通人にしたところが作劇上のキーになっている。結果としてストーリーはコミック的でも、テーマにリアルさが生まれている。
止め絵だけで構成したオープニングのセンスが抜群。
８月５日（火）
新宿東急で『茄子 アンダルシアの夏』を観る。
観客は２０人弱。
あきらかに説明不足なまま展開する序盤の演出は原作通り。
田舎の結婚式と世界的な自転車レースがラストに向けてからんでいく構成は圧巻。
いい映画だけど、この良さは原作の良さ。
原作読んだ人は必見。
８月９日（土）
ゴキブリ駆除失敗。
俺の必殺の右（ティッシュ５枚重ね）をかわして、テレビの裏へと消えていった。
やはり、素手では難しいか……ライトサーバー（新聞紙を丸めたやつ）を使うべきであったか。
現在時刻２３時３７分。
この部屋のどこかにヤツがいる！！
８月１１日（月）
日比谷シャンテシネで『藍色夏恋』を観る。
午後の回に、ぎりぎりの時間で入ったら、かなり混んでる。
９割以上の入り。
美しい台北の街並みを駆けていく自転車。
深夜の学校のプール。
誰もいない体育館。
高校生の男の子と女の子２人の恋物語。
未来は曖昧で不安なものだけど、世界は美しい。
８月１４日（木）
雨が冷たい。
風は寒いぐらい。
夏は終わった？
新宿ピカデリーで『パイレーツ・オブ・カリビアン』。
夜のラストの回で、客の入りは７割くらい。
パンフが売り切れ。
アイドル映画的なウケ方をしているようだ。
脚本はちょっと苦しい。
行ったり来たりが多くて、整理が悪い。
ギャグも滑り気味。
ジョニー・デップの『変人』演技だけが見どころ。
深夜をまわっても、雨足弱まらず。
８月１６日（金）
終わった瞬間、次が始まっている。
ゴールがないのが人生。
８月１８日（月）
新宿ミラノ座で『英雄 ＨＥＲＯ』を観る。
画面の迫力はすごい。
脚本も悪くない。
が、娯楽作としては展開のテンポが遅すぎる。
編集が悪いのか？
８月２１日（木）
午前中、歯医者に行く。
検診と歯石取り。
新宿に出て、時間がないのでコマ劇場下のロッテリアで昼食。
オデヲン座で『１０日間で男を上手にフル方法』。
タイトルは明らかな誤訳。
原題は『ＨＯＷ ＴＯ ＬＯＳＥ Ａ ＧＵＹ ＩＮ １０ＤＡＹＳ』。
つまり「１０日間で男をＬＯＳＥする（＝失う）方法」だから、『１０日間で男にフラれる方法』が正しい。
大体、フルだけなら１０日間もいらないって。
１０日間で恋人をつくるという賭けに挑戦した広告代理店の男と、１０日間で男と知り合い、付き合って、フラれるという記事を書くことになった雑誌記者の女。
お互いに秘密を抱えることで、ライバル不在のラブストーリーが成立している。
主人公のバイクの使い方、イエローキャブ（ニューヨークのタクシー）の見せ方など小技が光る。
ラブストーリーの名作とされるものには悲恋が多い。『ローマの休日』、『ある愛の詩』、『マディソン郡の橋』、『タイタニック』……。
さて、本作は？
ラブストーリーは着地が難しい。
映画館を出て、靖国通りを渡り、伊勢丹横の無印良品へ。
木製のランドリーボックスを買う。台所まわりの小物を入れる予定。
三丁目の十字路のｉｎ Ｔｈｅ ＲＯＯＭでタワー型のＣＤラックを購入。いま使っているＣＤラックが大きすぎるので、小型のラックをずっと探していたのだが、ようやく手ごろなサイズのものが見つかった。
いったん部屋に戻ってから中野へ。
小腹が空いたので、サンモールの日高屋で煮玉子ラーメン。
ジムはマシントレーニングを中心に。
夕食は高円寺の定食屋で、鳥の唐揚げ定食と生卵。
８月２５日（月）
朝、仕事の電話を何本かかけた後、渋谷へ。
収納ボックスを探しに東急ハンズに行ったら、店休日。
ブックファーストとロフトをブラついて適当に時間をつぶしてから、シネパレスで『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』。
様々な障害にも関わらず、主人公の２人は（ほとんど）感情的にならない。
自分の権利を主張するために「怒りまくる女性」や、女性から怒りをぶつけられて立場が悪くなると「逆ギレする男性」、これが従来のハリウッド映画において「よくある」キャラ設定であるとするなら、この映画の主人公たちはその対極にある。
理性的で抑制的、声を荒げて怒鳴りあったりしない。インテリジェンスがある。
すべての結婚は「異文化との衝突、あるいは融合」であり、その意味で本作のテーマは普遍的なものだが、キャラ設定は斬新。
対立するのではなく、「対話する主体」という構図は、９．１１以後の世界像において、最も重要なスタンスだと思う。
あるカップルの結婚というミクロな物語でありながら、マクロなレベルにも届きうるテーマ性がある。
映画自体は、バリバリのラブコメ。ラブコメ好きな方は、理屈抜きでどうぞ。
８月２７日（水）
午前中、会社で雑用を片付けた後、表参道。
髪を切ってから、渋谷。
ブックファーストで『ためらいの倫理学』（内田樹著 角川文庫）購入。
『ファム・ファタール』を観るため、新宿武蔵野館へ。
レディースデイなのでチケット売場はやけに混んでいたが、ほとんどは『踊る大捜査線２』目当て。
『ファム・〜』は満席にはほど遠い状況。
この脚本は……う〜ん。コメントしにくい。
誰が、何を見ているのか？
デ・パルマらしい、視覚的な仕掛けが冴えている。
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