◆2003/07/30 更新◆
７月３日（木）
月末の疲れと７月に入って立て続けに飲みがあったせいで、体調を崩し、のどが少し痛い。
近所の病院に行く。
初めて行った病院だが、のどの奥を覗き、処方箋を書いて終了。
診察が早いのはいいけど、あっさりしすぎていて、患者としては「物足りない」。
医者というのは、民俗学的には“まじない師”の系譜に属する。
白衣を着るのも、業務上必要なだけではなく、いかにも「医者らしい」格好をすることで、医者の発言に説得力をもたせる“呪術的効果”を発揮させるためである。
現代においても、特に、町医者には“まじない師”的役割が期待される。
ただの風邪であっても、体温を測らせてほしいし、脈をとったり、聴診器をあてたりしてもらいたい。そうされることで、患者は安心して、ある種の偽薬効果が得られるのである。
占い師の水晶玉のように「もっともらしさ」を演出してくれた方が、薬の効きも良くなるような気がする。
７月７日（月）
朝より激しい雨。
原宿のジムに行く。
１０日振りなので、軽めに。
竹下口そばの中華屋で昼食（ホイコーロー定食）。
渋谷に移動してブックファーストへ。
雨の日はカサが邪魔で歩きにくいものだが、センター街は人通りが（普段より）少ないせいで、むしろ歩きやすい。
ブックファーストで『カメレオンは大海を渡る』（橋元淳一郎著 ハヤカワ文庫）、『彼氏彼女の事情 １６巻』（津田雅美著 白泉社）。
以前に比べると、本を買う量が激減している。小説のシリーズものは、ほとんど追っかけていない。
学生の頃のように部屋で本を開く時間はないし、社会人なりたての頃のように往復２時間かけて通勤していた頃とも違う。
本を読む時間も機会もない。
特に小説を読めなくなってきた。
狂ったように、浴びるように、小説を読んでいた学生時代が、遠い昔のようだ。
こうして、年をとっていく。
成長か、成熟か、感受性の減摩か。
物語を必要としない大人になっていく。
７月１８日（金）
新宿プラザで『ターミネーター３』。
脚本の細かい組み立てに難はあるものの（軍の基地に簡単に侵入できたりとか）、中だるみしないでラストまで引っぱった演出はよい。
ＣＧばやりの昨今、肉体重視のアクションは見ごたえがある。
第１作の低予算を逆手にとった斬新さ、第２作のセンチメンタリズム、そして今作は？
と、考えたときに、売り（目玉）になるものがないのがツライ。
一番街の松屋で牛めしセット（並）。
みそ汁、サラダ、生卵がついて４４０円。
ひと昔前は、牛丼１杯３９０円を安いと云っていたのに、いまやこの値段。
みそ汁、サラダ、生卵の３品合計が５０円？
牛丼業界のデフレは凄まじい。
競争が激しいと値段を下げざるを得ないのだろう。
ケータイが爆発的に普及したのも、競争の激化が常識外れの値下げを導いた結果。
なんでも安ければいい、というものではないけど、とりあえず牛丼とケータイは安い方がいい。
北海道から上京して来る知人に会うために、渋谷へ。
着いたところでメール受信。
日比谷線を逆方向に乗ってしまい、北千住に向かってるとのこと。
４０分近く、時間が空いたのでブックファーストをブラブラ。
学生の頃のような購書意欲が湧いてこない。
う〜む。
３時半過ぎ、知人が渋谷到着。
オルガン坂のニューヨーカーズ・カフェで雑談。
彼女はアジア系の航空会社に勤めているのだが、ＳＡＲＳの影響で先月は給与が半額（！）だったそうだ。
「がんばろう、という気持ちにさせる職場」であることが大切であるという結論に達したところで、赤坂見附に向かうという知人を（心配なので）銀座線のホームまで見送った後、原宿に移動。
表参道を下って、エスパスタグ・ホイヤーへ。
ＬＩＮＫの今年のモデルを購入。
値段は聞くな（笑）。
安い牛丼と高い時計。
高円寺に戻って、夕食。
近所の定食屋で天ぷら定食（生卵付き）。
７月２０日（日）
小６少女４人監禁事件のこと。
昔風に云うと、“人買い”だよね。
人類最古の職業は娼婦。
いつの時代も人間が最も高価な“商品”であるということか。
労働が、市場において自分の商品価値をお金に換える行為であるならば、すべての労働者は商品である。
７月２１日（月）
朝から雨。
東京は２ヶ月、雨季が続くのか。
洗濯物が一向に片付かない。
朝食の後、外出。
恵比寿で日比谷線に乗り換え、六本木。
『シティ・オブ・ゴッド』を観るため、ヴァージンシネマズ六本木ヒルズへ。
予想どおり、大変混んでる。
チケット買うまで１５分。
休日だし、まあ、そうだろう。
スクリーンが１階と２階に分かれていて、２つのフロアをつなぐのが、（表向きは）エレベーターとエスカレーターしかないように見える。無論、非常階段はあるのだろうが、極めてわかりにくい。ていうか、どこにあるのか、わからない。なんらかのトラブルが発生したら、２階の劇場にいた人は大惨事だな。
ブラジル、リオデジャネイロ郊外のスラム、“神の街”（シティ・オブ・ゴッド）のギャングたちの抗争劇。ギャングたちは１０代（あるいは、それ以下）の子供たち。将来を想像することもできないまま、生まれながらに、ギャングの抗争（麻薬のシマの取り合い）に巻き込まれていく子供たち。
極めて社会的でシリアスなテーマをポップかつスタイリッシュに組み立て、エンターテインメントにしてしまった編集がすごい。
複数のキャラクターを並行させて配置し、細かいエピソードの積み重ねで、ある街の年代記を描き出す。
愛も希望も解放も、（もちろん平和も）ない世界。
それでも世界は終わらない。
そんな世界で、人は生きていく。
原作はノンフィクション。
つまり、この映画も、ほとんど実話。
劇場を出たら、３時近い。
一望して、１人で来るところではないな、という当たり前の結論を得て、帰途につく。
いったん、部屋に戻って荷物を整えた後、中野のジムへ。
途中、ラーメン屋に寄り、豚肉と野菜の炒めものと春巻き。
休日なので、ジムも混みこみ。
コンテストが近いらしく、更衣室ではビルダー同士が炭水化物の摂り方について熱い会話を繰り広げていた。
夕食は、いつもの店で肉入りニンニク芽定食。
そろそろ、夏に向けて仕事に本腰を入れないといけないカンジ。
７月２８日（月）
自分のことでもわからないことはある。
今日は前よりも少し自分のことがわかった。
それは、確実な進歩。
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