◆2003/03/01更新 ◆
２月３日（月）
シネマスクエアで『猟奇的な彼女』。
かなり”お馬鹿な映画”。
ギャグも滑り気味。
主人公のキャラも２０年くらい前の雰囲気（この点は『火山高』にも通じる。主人公の設定があまりにも古い）。
ヒロインの迫力で無理矢理引っ張ったカンジ。
『イルマーレ』の暗い女の子と同じ女優とは思えない。
暴力的で、甘えん坊で、意地っぱり。
圧倒的な存在感で、観客の目を惹きつけて離さない。
ラストの小技が効いている。
２月７日（金）
シネシティで『ケミカル５１』。
ロバート・カーライルのキレた演技は普段より抑え気味。
サミュエル・Ｌ・ジャクソンの方が、ブッとんだキャラになっている。
２月１３日（木）
新宿東急で『トランスポーター』。
「ほとんど漫画」なアクション。
あってなきがごとしの脚本。
だけど、坊主頭のジェイスン・ステイサムが格好いいから許す。
２月２４日（月）
新宿ピカデリー１で『ロード オブ・ザ リング 二つの塔』。
原作では書かれていないけど誰もが観たかったシーンから始まる。
モリアの最下層にバルログの落ちていくシーンの何と美しいことか！
「オタク監督」ピーター・ジャクソンの面目躍如。
細かなエピソードは切り落として、光と闇の決戦絵巻という骨組みだけを取り出し、アクション大作に仕立て上げた「ジャクソン版指輪物語」には賛否両論あるだろうが、これもまた「指輪物語のひとつの姿」。そもそも、映像化という行為自体が「ある対象」に「ひとつの光」を当てることである以上、万人の納得できる映像化というのはありえないわけで。
「スター・ウォーズ」がＳＦファンの見たかったものを見せたように、ファンタジーファンが見たかったものを映像にしてくれたことは、純粋に嬉しい。
（原作通りに）ほとんど登場しないガンダルフに代わって、物語の舵をとるアラゴルンの精悍さに目を奪われがちだが、今作で特筆すべきなのはゴラム（ゴクリ）の描写。
みるからにＣＧという外観は全然ダメだが、演技が素晴らしい。
親愛と憎悪のはざまで煩悶する姿は人間そのものに他ならない。
フロド、サム、ゴラムの陰気な旅路とアラゴルン達の悲壮な籠城戦を並行して語りつつ、ピピンとメリーのエピソードをはさみ、怒涛のクライマックスへと突入していく。
ラストの突撃シーンは冗談のようなスケールの大きさ。
『ベン・ハー』よりも『グラディエーター』よりも『エピソード ２』よりも凄まじい。
ガラドリエルからアイテムをもらうシーンが劇場公開版ではカットされてるにも関わらず、「例の」アイテムが大活躍するので、一般観客は置いてきぼり。この辺りの突き放し方が、逆に気持ちいい。
今作は、原作の『二つの塔』のストーリーの途中で終わっている。
ラストまで描くには、あと６〜７時間は必要な気がするんだけど、どうなるんでしょうか？
フロドは、オロドルインの「滅びの亀裂」で「あの」台詞を叫ぶのでしょうか？
すっかり「ギャグ担当」になってしまったギムリに活躍の機会は来るのでしょうか？
う〜ん、楽しみですねえ。