◆2003/02/02 更新◆
１月１日（水）
『愛しのローズマリー』をビデオで観る。
美女と野獣の変奏曲。
ファレリー兄弟にしては下ネタは抑え気味。
いい映画です。
１月２日（木）
『アフタヌーン ２月号』を読む。
『神戸在住』第５０話「お花とお正月の関係。」。
傑作。
普遍的な物語は何度語り直されてもいい。
１月３日（金）
『神様のパズル』（機本伸司著 角川春樹事務所）読了。
ハードＳＦなテーマをキャラクター小説の体裁で語ったのが新機軸。
個人的には感情移入できるキャラクターが１人もいないところが不満だけど、趣向の目新しさのおかげでリーダビリティは高い。
１月４日（土）
『魔法使いハウルと火の悪魔』（ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著・西村醇子訳 徳間書店）読了。
ジブリが映画化するそうだが、『千と千尋』との共通点がこんなにある。
@ 主人公が少女である
A 少女は親元を離れる
B 少女は契約を交わす
C 少女は閉鎖空間で働く
児童ファンタジーの王道プロットだから当然と云えば当然だけど、主人公の相手役の青年が「女たらし」だったりするので、この原作をどう脚色するかは全然読めない。
ちょっぴりスチームパンクっぽかったり、宮崎アニメ向きの素材であることはたしか。
１月９日（木）
『世界の果ての庭』（西崎憲 新潮社）を読む。
カルヴィーノの『冬の夜ひとりの旅人が』を思い出した。
あれも「終わらない物語についての小説」だった。
１月１３日（月）
新宿武蔵野館で『ＳＷＥＥＴ ＳＩＸＴＥＥＮ』。
立ち見が出るほどの混雑ぶりに「さすがはケン・ローチ」と思ったが、今日は祝日だった。
さびれた田舎町、失業、ドラッグ、そして暴力。
いつものケン・ローチ節が全開。
限りなくドキュメンタリー的なリアリズムの手法を使いながら、映画としての娯楽性も獲得しているのがほとんど奇跡的。
「イギリス賛美本」の著者たちは、この『現実』をどう説明するのだろうか？
１月２４日（金）
『イリヤの空、ＵＦＯの夏 その３』（秋山瑞人 電撃文庫）読了。
ポスト・エヴァ的空間において、「大きな物語」への憧れが描かれる。ここでの「大きな物語」とは「世界の意味」のことであり、世界像の統一モデルを求める志向のことである。
主人公は、この流れに無気力に呑み込まれるのかと思いきや、ラストにおいて「大きな物語」への抗いをみせる。エヴァ以後の地平はこの先にある！？
１月３０日（木）
ビデオで『ベストフレンズ・ウエディング』を観る。
キャラクター設定を定石の逆にしたのが斬新。
フツーは純真な主人公（ヒロイン）と意地悪で策略好きなライバル（悪い女）の対立とするところを、この映画では正反対になっている。
主人公（ジュリア・ロバーツ）は、やな女。ライバル（キャメロン・ディアズ）の方が純でけなげ。