◆2009/03/21 更新◆
１２月５日（金）
フレッシュネスバーガーで朝食。ベーコンオムレツバーガー、フライドポテト、チャイ。
午後はジム。中野のパスタ屋で、きのことモッツァレラチーズのボロネーゼ、タリアテッレ。
夕刻より激しい雨。
渋谷へ。
ロフトで年賀状と卓上カレンダーを購入。
シネマライズ２Ｆで『バンク・ジョブ』。
観客は１０人強。
いかにもイギリス的な湿度が高い犯罪映画。
フランス（ノワール）の陰鬱さ、アメリカ西海岸的な乾いたクライムムービーとは違った趣がある。
展開に暴力は満ちているが、最後は駆け引きで決着がつく。
夕食は近所の食堂で、骨付きチキンのトマトシチュー。
夜、雨上がる。
１２月６日（土）
『覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪』（打海文三著 角川書店）読了。
作者急逝により未完となった三部作の最終巻。
内戦によって社会システムとインフラが荒廃した日本。
さまざまな武装勢力、軍閥、政治団体による首都圏を巡る抗争をジェンダーの対立を交えて描き出す一大戦争叙事詩。
通俗的な戦記シミュレーションのような浅薄さに陥ることなく描写される現代戦と並行して、社会的、倫理的な物語が展開する。荒廃した国の復興という大局的な目的をストーリーの主流に据えながら、モグラ叩きのように眼前の問題を処理していくことでしか前進できない現実を描いている。
世界は（いい意味でも悪い意味でも）手を汚した者たちによって作られるべきなのだ。
おそるべき傑作。
１２月９日（火）
くもり空。
銀座シネパトス１で『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』。
東京の一等地である中央通りからほんの百数十メートルのところに、圧倒的な場末感の漂うこういう場所があるのが銀座の面白さ。
ロメロの原点回帰。
大局的な状況を小市民の視点から描き出す『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』以来のロメロ節。今作で採用されたＰ．Ｏ．Ｖ（ポイント・オブ・ビュー＝主観撮影。全編がその場の登場人物が撮影したビデオ映像のみで構成される）とロメロ節の相性はいい。元々、ドキュメンタリーっぽい撮り方だから。だけど、やっぱり酔います。
映画館を出ると雨。
日比谷線で六本木ヒルズへ。ヒルズサイドの南翔饅頭店でひとり飲茶。小龍包を食べる。お茶が美味しい。ウェストウォークのペーパーミントでクリスマスカードを購入。オープン当初は観光名所だった六本木ヒルズだが、物見遊山の客が減り、場所としてこなれてきた感じがする。
夕食は近所の定食屋で、しょうが焼き定食と納豆。
夜半より雨激しくなる。
１２月１０日（水）
街角にて。
ヒップ・ホップ系のファッションを扱う店の店頭に並んでいたトレーナーのロゴが「ＵＳ ｖｓ ＴＨＥＭ」。
これを着て、バグダッドに行ってもらいたい。マジで。
ブラック・ミュージックを出自とするヒップ・ホップは反体制的な音楽だと思っていたが、そんなに単純なものではないようだ。
１２月１２日（金）
晴れ。
目黒シネマで『ダークナイト』。
「映画史に残る傑作」との呼び声高い本作。
冒頭、ビルの屋上にピエロの仮面をつけた男達が登場するところから、一気に物語の中に引きずり込まれる。決して殺さないバットマン（クリスチャン・ベール）と殺すことにためらいをもたない“完全悪”のジョーカー（ヒース・レジャー／２００８年１月２２日逝去）の対決を通して、正義と倫理を巡るストーリーが展開する。
演技とはキャラクターを作ることであるとするならば、実在の人物を演じたときの「なりきりぶり」の上手さを過剰に評価するのはつまらないように思う。その作品世界の中にしか存在しないキャラクター（つまりは虚構の存在）に血を通わせることが役者の力の見せ所のひとつではないか？
理由のない害意、究極の悪の化身ジョーカーという人物を作り上げたヒース・レジャー畢生の名演を見逃すな。本年度のアカデミー賞では、おそらく作品賞、助演男優賞、撮影賞あたりにノミネートされるだろう。
１２月１９日（金）
晴れ。
夜、紀伊國屋ホールで『リアリティ・ショウ』（作・演出 鴻上尚史）。
役者の力量は肉体の強さだ。舞台上での肉体的強度が磁力を生む。小沢道成が出色。動きのキレ、明快なキャラクター表現。目が引きつけられる。
１２月２５日（木）
行きつけの定食屋が２軒同時に店をたたんだ。
ひとつは夜遅い時間でも食事ができた。
もうひとつは、『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』『チャンピオン』『スピリッツ』『ヤングジャンプ』が毎号置いてあって、６年間通い続けたが決して飽きることのない安定した味があった。
場所が消えることは時代が終わること。
俺の中で高円寺のひとつの時代が終わった。
１２月３０日（火）
目が覚めると下背部に凝り。
立ち上がると激しい痛み。
呼吸をするのも苦しい。
フレッシュネスバーガーで朝食。
新聞を開く。ＴＶ欄を見るとテレビ朝日「２：３０ とんねるずのスポーツ王は俺だ！！ １０周年５時間ＳＰ直前【秘】特番」という番組が６：００まで続いている。５時間の番組の宣伝が３時間半とはどういうことだ。２時間の映画の予告編が１時間半あったら、それは予告ではなくダイジェストだ。他に放送するものはないのか。公共の電波を何と心得ているのか。
予約を入れてあるので美容室へ向かう。先行きが心配になるぐらい空いている副都心線で原宿へ。その後、新宿３丁目の洋食屋でオムライス。バーニーズのセールでパープルのドットタイを購入。
夕方、整体に行き、腰が少し軽くなる。
整体師「お正月の間、寝てばかりいないで、少し歩くようにした方がいいですよ」「ずっと仕事です」と答えたら、同情まじりの苦笑をされた。
明日も明後日も、その翌日もその次の日も仕事です。
東京で年を越すのは７回目。