◆2009/01/30 更新◆
１０月３日（金）
晴れ。
洗濯日和。
新宿武蔵野館３で『言えない秘密』。
観客は２０人ちょっと。
以下ネタばれ。
……。
どんでん返しありのラブストーリー。
辻褄があっているようで、合ってない。
風呂敷をたたみ切れているとは言い難い。
ヒロインの母親の行動が説明できない。
デビュー作『藍色夏恋』での普通っぽさが印象に残ったグイ・ルンメイ。本作でも「普通っぽさ」が存分に発揮されている。すごい美少女というわけではないけれど、表情に雰囲気があって忘れ難い。映画向きの顔立ち。
１０月１０日（金）
上野へ。東京都美術館で「フェルメール展」。
《手紙を書く婦人と召使い》がイチオシ。
２度の盗難に遭った後、現在はダブリンの国立美術館に収蔵されている本作は、直前になって初来日が決定した。
画面左上方から差し込んでいる陽光の描写が超絶的。女主人の頭部、召使いの肩付近の光の当たり具合が素晴らしい。画面上半分の明るさに対して、下半分は暗い。テーブルにかけられた赤いクロスが床の上にたるんだ辺りには重厚さが漂い、左端を断ち切る濃色のカーテンが窃視的な感覚を鑑賞者にひき起こす。ドラマを感じさせる一枚。
これに比べると《ワイングラスを持つ娘》は光の表現が単調で平板な印象。ただし、娘のスカートの襞の質感は見事。
初期２作の《マルタとマリアの家のキリスト》、《ディアナとニンフたち》は習作の域を出ず、真贋が危ぶまれている《ヴァージナルの前に座る若い女》はやはりそれなり。《リュートを調弦する女》は印刷よりもずっとよい。画面の明るさがフェルメールらしい。《小路》は穏やかな印象。
１０月１７日（金）
「流星の絆」（TBS系）第１話。
クドカン最高。
過去と現在のカットバックが見事に決まって、シリアスなストーリーとコメディなテイストが両立している。
１０月１８日（土）
コンディション（内面／自分の中）とシチュエーション（状況／自分の外）は常に揺らいでいる。完璧なことなどあり得ない。その揺らぎの中でヒットを狙う。打てるか打てないかはバッターボックスに立たない限りわからない。
１０月２０日（月）
「イノセント・ラブ」（フジ系）第１話。
堀北真希が暗く病んだヒロインを好演。
元々、思い詰めたキャラが得意な人だけど、これは特にハマっている。
手に入れたものは自分の努力の賜物で、うまくいかないことは不運のせいにしがちだが、逆に考えるべきだ。
手に入れたものこそがギフトであり、うまくいかないのは力が足りないからなのだ。
１０月２１日（火）
人生のすごろくはそのマスに行ってみなければ何が書いてあるかわからない。
１０月２３日（木）
時間を巻き戻したいと考えるとき、悪い結果を導いたであろう時間線については考慮しようとしない。
悪い方に進まなかったことを喜ぶべきなのに、良い方（と自分が思い込んでいる選択肢）を選ばなかったことを後悔しがちである。
１０月３１日（金）
上野へ。東京国立博物館で「大琳派展」。
夏の「対決 巨匠たちの日本美術」で見逃した宗達、光琳の「風神雷神図屏風」が目当て。今展ではさらに酒井抱一、鈴木其一が描いた「風神雷神」もそろい踏み。宗達の風神雷神にはプリミティブな迫力が宿っている。人間を超えた存在が描かれている。