６月４日（火）
ベルギー戦チケットについて。
海外のフーリガンが懸念されていたけど、今大会で初めて「フーリガン化」したのが日本人サポーターだったのは皮肉である。
６月５日（水）
本日の朝日新聞朝刊より。
ソウル市内に設置されたW杯モニター前の描写。
「（前略）韓国戦が始まる前には日本対ベルギー戦の一部もモニターで放映されたが、日本の得点シーンが映し出されると一斉に大ブーイング。ベルギーのゴール時は大歓声が起こり、『ベルギーコール』まで飛び出した。」
この感覚が韓国人の多数派だとしたら、一体、何のための日韓共同開催だったのか。
さきのアルベールビル五輪のショートトラックにおいて、韓国（と日本）はアメリカのジャッジに苦しめられた。（幸いにも）今回、韓国はアメリカと同じリーグに入っている。韓国がアメリカを叩きのめすのを個人的には大いに期待していた。
韓国は１次リーグを突破するかもしれない。
だけど、もう応援する気にはなれない。
同紙上において、韓国人と日本人の自国のサッカー代表に関する意識の違いについて沢木耕太郎が書いていたけど、違うと思う。
韓国の代表チームが日本に勝つことによって「真の代表チーム」になっていったことを述べ、ドーハの悲劇を引用した上で「サッカーの日本代表が真の『日本代表』になるためには、勝つことによってではなく、負けることによって失う経験を、また何度も繰り返さなくてはならないのかもしれない」と結んでいるが、この先何度、勝ち負けを繰り返したとしても、韓国人が代表に持つような「熱意」には日本人は到達しないだろう。
ポストモダンのその先まで進んだ日本において、韓国における代表のような意味を「日本代表」が獲得するとは思えない。
６月９日（日）
ロシア戦を観る。
リプレイも監督の顔も観客席もいらないから、今、動いている選手を映せ。つくづく民放のサッカー中継にはいらつかせられる。タイムアップの瞬間にベンチを映す馬鹿がいるか。後半途中から実況と解説が全く噛み合っていないのが笑える。
柳沢のエンジェルタッチに拍手。
６月１０日（月）
先週から風邪をひいている。原因はクーラー。
病院に行って薬をもらってきた。せめて聴診器ぐらい当てて下さいよ、先生。のどを見ただけで終わりですか？
帰宅後、ネギを丸々１本と卵を２個入れてラーメンを作る。
洗濯機をまわしつつ、読書。
北野勇作の『かめくん』（徳間デュアル文庫）を読了。
既知のものと未知のものを混在させながら、あやふやな世界を描写していく手腕が見事。夕暮れの商店街、ひなびたアパート。そこにたたずむカメ型ロボット……。確かなことは何ひとつわからないまま淡々と毎日を送るかめくんの姿は、フィクショナルな世界の中で生きざるを得ない我々自身の姿に重なってくる。ＳＦ大賞とベストＳＦ２００１のダブルクラウンは伊達じゃない。
微熱があるが、かまわずシャワー。
夕食に豚肉とネギを炒める。
６月１３日（木）
デルピエロの不幸は常にバッジョの姿を重ね合わせて見られることだ。
メキシコ戦の終了間際のゴールにも「秒の殺し屋復活！！」という言葉が浮かんでしまう。
”王子様”の愛称を持つトッティが「明」のイメージがあるのに対して、デルピエロには陰がつきまとう。病める天才。
６月１８日（火）
日本×トルコ。
トルシエ御乱心……つーか、トルシエって、元々兵法の常識を無視するんだよね。１次リーグを好調に突破した後、決勝トーナメントで（あえて）システムを変え、さらに一度もやったことのない組合せを「本番」で試しますかね。
試合中、トルシエはピッチ上の選手達に向かって声をかけなかった。流れがいいから何も言う必要はないと判断していたのか、あるいは「最後の試合は自分達の力でやりなさい」という意思表示（実験室の終了）だったのか。だとしたら、その考え方はあまりにも「コーチ的」だと言わざるをえない。ずっと前からわかっていたことだが、トルシエは「優秀なコーチ」であって、「勝負師としての監督」ではなかった。
柳沢と稲本がいない状態でやられても負けた気がしないというのが正直な感想。
試合終了後、中田英寿と（出番のなかった）柳沢が穏やかに話していたのが印象的だった。何を話していたのだろう？
＜追記＞
夜、アズーリ敗れる。ジダンをぶっ壊して今大会を大いに盛り下げてくれた韓国が、十年一日の「韓国サッカー」でイタリアに走り勝ち、蹴り勝った。この結果、優勝候補がますます絞られる。最終ラインに不安のあるブラジルが攻撃力で押し切るのか？ 相変わらず「ゲルマン魂大爆発！！ 進め機甲師団」のドイツが一気に頂点に登りつめるのか？ となると、決勝は史上初のドイツｖ．ｓブラジルだろうか？ 総合力ではドイツが上と思うが、ブラジルのしたたかさは健在。ショルがいればなあ。
６月２０日（木）
ワールドカップはこれからがクライマックス。優勝を狙うチームにとってはここからが正念場である。
日本の熱は下がっている。でも、それでいいのかもしれない。自分の国が出ていないワールドカップなんてどうでもいい、と国民の大多数が思う方が正しい姿なのかもしれない。
６月２２日（土）
トルコ×セネガル。
この日のトルコは日本戦とはまるで別のチーム。
中身のあるサッカーを展開して、セネガルに圧勝。
スコアこそ１−０だが、それはワントップのハカンシュキルが絶不調だったから。
決勝点となったイルハンのダイレクトボレーは、今大会屈指のファインゴールだろう。
６月２９日（土）
準決勝、３位決定戦と見て、わかったこと。
実は強かったトルコ。
６月３０日（日）
本日、決勝。
ドイツ×ブラジル。
ドイツはバラックがいない中で、よく攻めた。シュナイダーが切れまくり。
前半終了時には「もしかしたら（ドイツが勝つ？）」と思わせたが、後半の立ち上がりから一気にラッシュをかけて試合の主導権を握り、先制ゴールを決めてしまう辺りが”王国”のしたたかさ。２点目が入った後はドイツの闘志も萎えてしまったように見えた。とは言え、ここまで上がってきたことで『ゲルマン魂』は充分に示しただろう。そもそも、次のW杯はドイツ優勝が「既成事実」なので、今回優勝したら連覇になってしまうわけで。
サウジアラビア戦で派手なデビューを飾ったクローゼが、決勝トーナメントで無得点に終わってしまったのは前線の組合せの問題。ヘディングが得意と言っても、体が特に強いわけではないクローゼはディフェンスを弾き飛ばしてゴール前に飛び込み、ボールを叩き込むような芸当はできない（例えば、ビエリのように）。スピードとタイミングで守備陣の一瞬のスキを突くのが身上なので、相棒となるFWには体が大きく、ポストプレーができて、前線の「橋頭堡」となるようなタイプが望ましい。ヌビルはいい選手だが、この２人の組合せはよくない。ヤンカーはたしかに「橋頭堡タイプ」だが、いかんせん下手すぎる。
とりあえず、今夜は「ブラジル、優勝おめでとう」。
「史上初」の２ヶ国開催、「史上初」の海を越えてのチーム移動……という滅茶苦茶な条件の大会で優勝したブラジルは”王国”の面目躍如といったところか。
風邪が治らない。今月は忙しすぎたんだよ。後半の２週間で２回、東京に出張で、どちらも雨に降られて、しかも梅雨寒でやたらと寒いし、職場に新人が入ってきてイマイチ安定しないし、連日W杯は観なくちゃいけないし、あー、忙しかった。
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